南極おんがくしつ

楽器を紹介したり曲を作ったりします。

Steinberg CMC-TPと、ついでにフィジコン2機種のレビュー

私のフィジコン探しの旅は、ひとまずはこれで終わりそうです。
はじめは最近買ったCMC-TPのみのレビュー記事にしようと思っていたのですが、せっかくほかのフィジコンも使っていた経験があるので、まとめてレビューすることにしました。

私のフィジコン遍歴としては、これが3つめになります。以前に持っていた(とはいっても短期間で手放してしまいましたが)Presonus Faderport、KORG nanokontrol2と比較して、私がこれを選んだ理由を書いていこうと思います。

Presonus Faderport

まずはじめに私が「フィジコン欲しい!ツマミ、フェーダーは男のロマン!」と手を出したのがこれでした。

100mmのシャカシャカ動くフェーダーが売りの機種です。
かの有名なこおろぎ氏のブログで紹介されていたというのも、購入のきっかけの一つ。

(短期間で手放してしまったと書きましたが、それにはちょっといろいろありまして...
Cubaseではそのままでは使えないということを事前に調べてあったので、ググッて出てきた通りに設定をするがうまく動かず...
さらにStudio One Primeで試しても動かなかったため、私が買ったのは不良品だったことが判明。ヤフオクでの購入だったのですが、出品者の方が快く返品に応じてくれて助かりました。)

そんなことはどうでもよくて、動作した範囲で書けるレビューとしては、

・ボタンが固い
PCのキーボードと同じような感覚では押せませんね。カチカチしてます。

・フェーダーが動くとかっこいい
フォーカスするトラックを切り替えるとそのトラックのフェーダー位置までシャカシャカ動きます。癖になって何度もトラック切り替えちゃいます。ちゃんとついてくるのが素晴らしい。

Cubaseで使うには一工夫必要
あちこちのレビューで書いてあるので詳しくはググッてもらえれば分かるのですが、最新のファームウェアだと上手く動かないのでひとつ前のものをインストールするとか、ちょっと手間がかかりました。

って感じです。

悪いものではなかったのですが、上記の通り不良品だったというのと、操作が1チャンネルしかできないのが窮屈に感じて、じゃあマウスでいいじゃん、と思ってしまったので手放しました。


KORG nanokontrol2

お手頃なフィジコンと言ったらこれって感じですね。


売れてるんだからいいモノに決まってるだろうと、ノリで購入。安いし。上の画像は黒ですが、私は白を使っていました。
実際に使ってみると、いろいろなことが分かってきました。

・トランスポートのボタンが必要十分な数で便利
再生、停止、録音、早送り、巻き戻しと、ループ再生のオンオフ、マーカーの追加、前後のマーカーへ移動。キーボードショートカットに割り当てちゃえばいいんですが、専用のボタンがあるっていうのはなんとなく気分がいいです。押し心地も柔らかくていい。

・一方、フェーダー部は意外と使わない
どのフェーダーがどのトラックと紐付いてるのか、PCの画面を見ないと分かりません。画面見るならマウスでいいじゃん、と。またかよ。
俺は8トラックまでしか使わないぜ!という硬派な方ならバリバリ使えると思います。
制作の序盤の、まだギターとドラムと歌メロだけ、みたいな状況ならそれなりに使えます。
Mackieとかのお高いフィジコンなら、フィジコン側のディスプレイにトラック名を表示してくれるんですけどね...

・小さい

奥側にあるのはmicrokey37。
ちょっとしたスペースにちょこんと置けます。
小さいぶん、フェーダーの感度も大ざっぱ。





Steinberg CMC-TP

現在では生産終了してしまっているようで、ヤフオクで運良く見つけて即確保しました。


フェーダーは自分には必要ないと判断し(気づくの遅い)、nanokontrol2のトランスポート部が気に入っていたので、トランスポートに特化したこれを購入。Cubase、Nuendo専用です。細かいスペック等はこちらをどうぞ。

・ボタンは柔らかい
私は左手側に置いていて、小指で押すこともあるのですが、特に固さを意識したことはありません。nanokontrol2と同じ感じです。PCのキーボードよりは固いかな。基準とするキーボードにもよりますが。

・タッチスライダーが楽しい
真ん中らへんにびよ~んと伸びている横長のやつです。説明下手。
ジョグダイヤルとして使ったり、再生バーの移動やウインドウのスクロール、2本指でズームイン・アウトなどに使えます。
スマートフォン感覚でCubaseを操れて、なかなか癖になります。
iTunesもこれで操作できたらなあと思うほど。

・ロケーターの設定が割と楽
Cubaseのイラッとポイントの一つは、ロケーター範囲の設定の煩雑さだと思います。
これもまたキーボードショートカット覚えればいいじゃんって話なんですが、面倒じゃないですか。


この狭い領域をCtrlやAltを押しながらクリックすることでロケーターが設定できるのですが、まあ誤クリックの多いこと多いこと。





ところがCMC-TPには「選択中のイベントの幅に左右のロケーターを設定」するボタンがあり、どういうことかといいますと、





この状態でボタンを押すと、









こうなるのです。気持ちいいよ。




もしかしたらキーボードショートカットでも同様の機能があるのかもしれない、というかあると思いますが、面倒くさいです。何度でも言う。

・サイズはでかめ?
私は特に邪魔には感じません。
Faderportが18×13cmに対して、これが18×11cmくらいで、少し細め。

横に長いnanokontrol2とは対照的ともいえますね。
同じくmicrokeyとの比較画像を載せておきます。

まあこの辺は個々人のデスク上のスペースと相談って感じでしょうなあ。


自分がフィジコンに何を求めているかを考えよう

説教臭い見出しになってしまいましたが、まあそういうことです。フィジコンに限らず。

ミックス時に細かくいじれるフェーダーが欲しいんだったらFaderportか、もっと大きいMackie Controlみたいなのがいいし、デモ作りをパパっとやりたいならnanokontrol2でも十分かもしれません。
私の場合にはCMC-TPが合ってたってことですね。



話は変わりますが、ちょっと宣伝。
40人以上のボカロPがチンアナゴへの想いを表現した問題作コンピレーションアルバム「チンアナゴLP」に、私コウテイも1曲参加しています。
3枚組になっていまして、私の曲「つながっているとしたら?」は比較的ポップ色が強い「Garden」の8曲目に収録されています。

ニコニコでよく聴くようないわゆる「ボカロ曲」とは一味も二味も違う不思議な作品ばかりで、聴いていてとても楽しいです。
フリーダウンロードですので、とりあえずダウンロードして時間のあるときにゆっくり聴いていただけたら嬉しいです。

http://stripeless.bandcamp.com/



私の曲はSoundcloudでも聴けるので、こちらもチェケラ。


ではまた。